JFA公認C級コーチ養成講習会レポート 2日目
2010年2月 7日
埼玉県サッカー協会主催のJFA公認C級コーチ養成講習会の2日目が終わった。
初日と同様にして、まずは2日目のスケジュールを軽くおさらいする。今日は
朝食
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実技 ゴールを目指す~パス~
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実技 ゴールを目指す ~コントロール~
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昼食
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講義 コーチング法1
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実後 ゴールを目指す~ボールを失わない~
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夕食
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講義 審判・ルール
の流れで講習会が行われた。
まず講義について報告したい。コーチング法1では、本講習会のキモとなる「コーチングの目的とは何か?」ということについての解説を受けた。
これはズバリ、「サッカーの楽しさを伝える」ということである。とかく指導者というと、技術を上達させることが主眼のようなイメージを持ってしまう。しかし本当に大事なことは、特に少年に対してコーチングを行うようなときは、いかにサッカーを楽しませるかであり、その楽しませるというのは、自分のイメージ通りにプレーできるかどうか、という点につながってくる。イメージ通りのプレーができる子供は、自分で判断が行えるため、自然とクリエイティブなプレーができるようになるという考え方である。
ただしそのような子供を育てるためには、コーチ自身もクリエイティブにならなければいけないという。クリエイティブなコーチとは、ゲームを正しく分析し、プランニングし、そして正しくコーチングすることができる指導者のことである。つまり、自分で考え判断し、適切に指導ができるということだ。実は日本に足りないのはこういった考えをできるコーチであり、悲しいかな根性論や自己満足でコーチングをする指導者はいまだに根強くはびこっているという。あくまでコーチングは教えている彼らのサッカー感を作るための方法であり、自分が満足して終わってしまうコーチは単なるエゴでしかない。そういったことを認識するためだけでも、この講習会はとても意義が深く、そして重要なものなのではないかと改めて考えさせられる。
そういえば面白いたとえ話があった。仮に自分の息子がサッカーの試合をして家に帰ってきたとき、あなたならなんと声をかけるか、という質問である。多くの人は「勝ったか?」「結果は?」といった質問をしてしまうだろう、と思う。しかしそれは子供に対してではなくチームに対する質問であり、子供がどうだったかということには繋がらない。できればここで欲しいのは「今日のサッカーは楽しかったかい?」という質問である、ということだ。大事なのはその子がサッカーを楽しめているかどうか、それに尽きる。
これをふまえて、実技では自分たちがプレーしながらもいかに指導者の目線で考えることができるか、ということが試された。例えば1対2のようなシチュエーションの練習をするにしても、コーチングをしたいテーマと練習の設定が密接にからみあっているか、それは適切か、そして課題となるプレー(現場では「現象」と呼ばれる)が発生したときに、一度プレーを止め、改善案を説明できるか、ということである。C級のコーチが求められるのはこの点であり、実際に最終日(3月7日)にはその実践テストが行われる予定となっている。
とにかく2日目は大変濃密な講義ばかりで、体も疲れたが頭が相当に疲れた。最も印象に残っている言葉は「コーチとはその指導している子供の未来に責任がある」というものだ。たくさんの可能性があるその子がサッカーを嫌いになったり辞めてしまったりしたなら、それはコーチに問題があるということである。これは本当にそうだと思う。フットサルをやっていて、「いや高校まではサッカーやってたんですよ」という人のなんと多いことか。なぜ、大学や社会人になってサッカーを辞めてしまったのか。それはサッカーがそこまで楽しいとは思わず、そして打ち込もうとも思わせられなかった指導者の責任である。もちろん人間関係の問題もあるだろうが、指導者は自分が誰かの人生に足を踏み入れてしまっていることをもう1度認識しなければならない。
以下はまたしても飲み会の席での話である。
指導者にとって大事な素質に、オープンマインドというものがあるという。これは、どんなことでも1度受け止め、消化した後に自分がアウトプットを出すという意識だ。例えば選手がどのような意図でそのプレーを選択していたかを聞き、しっかりと認めてあげる、ということがそれにあたる。一方で自身に対する意見もまずは受け入れることから始めないといけない。
このオープンマインドは、なまじサッカーで実績を残していたり、有名な高校を出ていたりすると、なかなか身につけられないものになるとか。しかし一方で、Jリーガーなどはこのオープンマインドがとても強く、サッカーに対して勉強してやろうという意識がとても高いそうだ。サッカーでプロになり、その後もサッカーで生きていこうと思う人間はやはり違うな、としか思えない。サッカーで生きていくということは、きっとそういうことなんだろう。
ある高校の先生はこんなことも言っていた。自分はもし高校卒業と同時にサッカーを辞めてしまいそうな子がいたとしたら、なんとか説得して、大学でもやるように勧めたり、社会人になってもプレーするように応援するという。それは、例えその子がプロになれるような子ではなくても、サッカーを続けているうちになんらかの可能性が花開くかもしれないからだという。万が一にも、大学で覚醒して日本代表まで上り詰める選手がいるかもしれない。また、いま活躍できないのは自分との相性が悪いというだけかもしれない。だから、お願いだから、あと何年かはサッカーを続けてくれ、と頼み込むという。
私は感動せざるを得なかった。間違いなく日本のサッカーを支えているのは、彼ら草の根の指導者である。今の日本のサッカー協会がどれだけ彼らのような指導者の存在を認知し、そして感謝をしていることだろうか。もちろん日本代表を強化することも大事である。しかしその日本代表の土台を育てているのは彼らである。しかも彼らは見返りのための指導をしているのではなく、純粋に1人でも多くサッカーが好きな人間を育てたいと願っている。日本のサッカーが真の強さを得るには、彼らをもっともっとリスペクトし、もっともっと見てあげることが必要なのではないかと感じた。これはサッカー協会だけにとどまらず、サッカーのことを考えるメディアも同様だろう。最も尊敬されるべきはいつだって現場であるべきだ。
とにかくC級の講習会は刺激であふれている。これだけサッカーのことを本気で考え、そして現場にて体当たりで実践している人間ばかりのコミュニティも少ないだろう。ライセンスが全てとは思わないし、ライセンスがなくてもサッカーの知識は得られるが、もしサッカーに関わる仕事をするならば、こういった講習会に1度は参加してほしいと思わずにはいられない。そして指導者目線、プレイヤー目線、子供目線やサッカーの知識を学び、それを現場に生かしてほしい。そうすれば、もっともっと身の回りにサッカーを好きになってくれる人が増やせるはずだ。本心からそう思うし、そうあって欲しいと願う。



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