日本サッカー協会の監督選びにある共通した特徴
2010年2月10日
西部謙司著の「サッカー日本代表システム進化論」は監督を切り口として、日本代表の戦術の変遷を振り返った1冊だ。1984年の森ジャパンから、2010年の第2次岡田ジャパンまで、20数年の日本代表の歴史をまとめている。
その中で西部氏は、日本代表の監督選考の共通した特徴として次のような特徴を指摘している。
「日本協会の監督選びには、ある共通した特徴がある。前任者に足りなかったところを補う理由を挙げ、それを新監督を選んだ理由として説明してきたことだ。いや、選考理由をこじつけてきた。その結果、以前に監督を選考したときの理由はいつも忘れられてしまうのだ」
「外国人監督でなければダメ」という理由でオフトを選考したが、ファルカンを挟んで加茂監督に。オフトの後任にファルカンを据えたときは「修羅場をくぐっっている」監督をということだったが、その理由もすぐに忘れ去られた。
ファルカンの後任には「コミュニケーションの取れる」監督ということで加茂監督が就任したが、岡田監督を挟んで次の代表監督に就任したのはフィリップ・トルシエだった。トルシエの就任時には「世界を知っている」ことが選考理由として挙げられたが、ジーコ、オシムを挟んでその次の代表監督に就任したのは、国内でしか指揮を執ったことのない岡田武史監督だった。
「これだけ一貫性がないと、かえって監督選考の理由など、アナウンスしない方がいいのではないかと思えてくる」と西部氏はいう。
選手育成を中心に黄金世代以降のここ10年の日本サッカーの軌跡をまとめた「黄金世代」の著者・元川悦子氏も指摘していたことだが、歴史の蓄積がないのが日本サッカーの弱点だ。
「サッカー日本代表システム進化論」の冒頭、西部氏はこう語っている。
「勝った負けたでいえば、日本は必ず負けて終わる。ワールドカップ出場が続く時代になった今日、世界一にならない限り負けて終わるのだ。負けた以上は必ず反省点が残る。敗北は恥ではない。切り替えて次、これも大事だけれども、何ができて何が足りないのか。これからどうやって進化の道筋をつけていきべきか。腰を据えて、じっくり反省しておくことが次につながるはずだ。この本が、ほんの少しでも、そのきっかけになれば本望である」





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