浦和レッズが迷走を続ける理由(1/2)
2011年10月 3日
現在、降格圏と勝ち点2差の15位。
06年のリーグ優勝、07年のACL制覇以降、
浦和レッズは低迷が続いている。
なぜレッズは迷走を続けるのか、
浦和レッズマガジン、浦研、浦研プラスの編集長を務める
島崎英純さん(@Hidezumish)に他サポにもわかりやすく解説してもらった。
(※インタビューは27節鹿島戦と28節G大阪戦の間に収録しています)
【浦和レッズが迷走を続ける理由】
【1】成績が落ち込んでいる要因は、このクラブに積み上げがないから
【2】レッズざまあみろ、と思われていると思うんです
【3】Jリーグは日本に合ったリーグ運営を考えて行かないといけない
【1】成績が落ち込んでいる要因は、このクラブに積み上げがないから
岡田(サポティスタ)
ここ数年、浦和がおかしなことになっているというのは、
浦和サポーターだけではなく、
Jリーグを見ている人の多くが感じてることだと思います。
なぜ、ここまでおかしなことになっているのか、
ずっと経緯を追っている浦和のサポーター以外にもわかるように、
解説していただきたいのですが。
島崎
成績が落ち込んでいる要因というのは、
このクラブに積み上げがないからです。
たとえば鹿島アントラーズのサッカーといえば、
鹿島のサポーターも他のクラブのサポーターでも
だいたいイメージが一致すると思うんですよ。
4ー4ー2を採用していて、
サイドバックがかなり高くまで上がってくる
ブラジルスタイルで、
という一般的なイメージがあるじゃないですか。
浦和レッズはというと、
監督が変わるごとにスタイルが変わる。
その監督も1年2年でコロコロと変わっていく。
そうやって積み上げを怠ってきたことが、
今の低迷につながっているのだと思います。
06年にリーグ優勝を果たしましたが、
ではこのサッカーを追い求めていくのかというと
そういうわけでもなく、
そのときの監督であったギド・ブッフバルトは
本人の事情で退団したのですが、
あとを継いだホルガー・オジェックは2年目の2試合目で解任。
コーチから監督に昇格したゲルト・エンゲルスも,
2年契約を結んでいたけれど、その年限りで解任。
次はフォルカー・フィンケという
優勝したときとはまるで違うスタイルの監督を連れてきて、
ここで明確なスタイルを築いていくのかなと思えば、2年で解任。
クラブが何を求めているのかわからないというのが、
そのまま迷走という結果になってつながってしまったんですね。
岡田
今季、ペトロビッチ監督が就任する際、
クラブは言葉の上ではフィンケのサッカーを継続すると言っていますが、
実際はそうなっていないということですね。
島崎
ペトロビッチになって最初の合宿を見た時点で、
これはぜんぜん違うなというのはわかるわけです。
それは僕だけがわかるという話ではなく、
試合を見ている人はみんなわかっていると思うんです。
シーズン前のキャンプで柱谷GMにインタビューでしたとき、
フィンケのときと真逆のやり方になっていませんか、と聞いたら、
彼は「そうなの?そんなふうには見えないけど」と答えたんですよ。
それが本心であろうがなかろうが、開幕前の段階で、
GMが逃げるような回答をしている時点で、
クラブとしての指針がないんだなというのは感じました。
柱谷さんはペトロビッチをなぜ招聘したのかと聞かれたときに、
僕はペトロビッチのサッカーを見たことがない、と
公の場で言っちゃったりしているんですよ。
普通、GMといえば監督を選ぶ権限を持っているんですけど、
その時点で柱谷さんとすれば、窮屈な思いをしていたのかもしれません。
岡田
その柱谷GMも解任されました。
普通ならGMが監督を連れてきてサポートと評価をするはずなのに、
クラブは監督のサポートをするためにGMのクビを切るという。
順番がおかしいですよね。
島崎
クラブは、
GMと監督の関係は良かったが、GMが監督に遠慮して
選手とのコミュニケーションが取れなかったと言うんですよ。
ただ、強化部が監督を飛び越えて
直接に選手とコミュニケーションを取るというのは、
あまりよくないというのが定説ですよね。
GMが現場に口出しするのはあまりよくないことと言われている。
クラブのいうことが本心であれば、
浦和のGMは普通のクラブのGMとは
違う仕事を求められているのかもしれません。
岡田
浦和では、いったい誰が
監督を選任する権限を持っているのでしょう?
島崎
03年に就任した犬飼基昭社長の時代に、
監督は社長が選んでくるものになったんですよ。
それまでは現場の最高責任者の権限でやっていたのが、
そのときから社長権限になり犬飼さんがギド・ブッフバルトを連れてきた。
それが前例になり、
犬飼さんのあとを継いだ藤口さんの時代には、
ホルガー・オジェック、ゲルト・エンゲルス、フォルカー・フィンケと
3人を社長権限で連れてきたんですね。
犬飼さんと藤口さんは三菱でサッカーをやっていて、
サッカーをわかっている人だったけれど、
今の社長である橋本さんはサッカー畑の人ではなく、
三菱の役員が天下りで降りてきた人です。
その彼が監督を決める権限を持っている。
それがいびつな原因になっているのではないでしょうか。
岡田
チームとしての一貫性がないという話ですが、
では誰がどのようにして、
チームとしての一貫性を固めていくべきだと思いますか。
島崎
難しい話ですよね。
鹿島はいい例として挙げましたけれど、
ほかのクラブがどうなのかというと、
Jリーグではほかのクラブもそうしたものが確立されているわけではない。
結果も含めてでているのは鹿島だけのような気がします。
今は過渡期として土台作りをしているクラブはたくさんあって、
川崎は武田社長が11年続けているし、
広島、磐田、名古屋といったクラブも下地がしっかりし始めている。
ほかのクラブは過去の失敗も踏まえながら経験値として積み上げているんでしょうけれど、
浦和の場合は、それがどうも積み上がっていない。
誰が主導権をとってやるかという問題があって、
浦和は三菱が主要株主として力を持っているので三菱がやるのか、
G大阪のようにオーナー企業はあっても、現場は現場の責任者に任せるのか。
そういった筋道ができていないんですよ。
よく誤解されている部分なのですが、
三菱自動車が現場のサッカーや監督人事に関して、
横槍を入れているというようなことは、一切ないんですよ。
だから親会社がなにか妨害しているとかではなく、
取り仕切る側にその能力がないのが問題なのだと思います。
社長が長くやることも大事なんですけど、
サッカークラブの場合は、社長と現場をつなぐ役割の人がしっかりすること、
それから各セクションの責任者がしっかりしていれば、
社長が変わっても、やっていけると思うんですよ。
社長がなにを言おうがクラブとしての指針があれば、
それは変わらないものとして残るわけじゃないですか。
社長が変わるごとになにもかも変わってしまうというのが、
そもそもサッカークラブとして問題なのかもしれません。
三菱は日本サッカーリーグ時代の名門クラブで、
そのころ日本代表を支えた人たちが、引退後クラブに入って引っ張ってきた。
それが横山謙三さんであったり森孝慈さんであったりしたわけですが、
その世代に続く若い世代が育って来なかったんです。
それでも三菱はサッカーに対する思いが強いから、
三菱出身の人材だけでなんとかやってこようとしてきた。
そのやり方が限界を迎えていて、
今度は新しい血を入れたり育てたりしないといけないのでしょうけど、
そこがうまく行っていない。
もっとGMのプロなりを連れてこないと、
一向になんの改善もされないのではと思います。
監督の成績不振でさきにGMがクビを切られるというのはおかしな話ですが、
柱谷さんはそもそもペトロビッチを連れてきたわけではないんですよね。
これは監督からすると、自分を連れてきた人が現場にいない、
現場で誰を信頼していいのかがわからない、ということでもあるんです。
後ろ盾のない中でやらなければいけないということで、
監督にとっても難しくなっているんです。
そうしたクラブ内での役割分担と信頼関係が築けていないことが、
誰が監督になってもうまく行っていない原因だと思います。
【浦和レッズが迷走を続ける理由】
【1】成績が落ち込んでいる要因は、このクラブに積み上げがないから
【2】レッズざまあみろ、と思われていると思うんです
【3】Jリーグは日本に合ったリーグ運営を考えて行かないといけない
【島崎英純さんが編集長を務めるメディア】
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